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犬の糖尿病の原因や症状、診断や治療法を獣医師が徹底解説!

豊田市近隣のみなさん、こんにちは!

豊田市の森田動物病院です。今回は犬の糖尿病について、原因や症状、一般的な診断・治療の流れを獣医師の視点から詳しく解説していきます。

糖尿病というと人間の生活習慣病を思い浮かべる方が多いかもしれませんが、実は犬にも糖尿病があります。特に中高齢の犬や避妊・去勢後の犬で増加傾向があり、現代の犬たちの健康を守る上で重要な疾患の一つです。


1. 糖尿病の症状

糖尿病の初期には、以下のような症状が見られます。

主な初期症状:

・水をたくさん飲む(多飲)

・おしっこの量が多い(多尿)

・食欲があるのに痩せていく

・元気がなくなる、疲れやすい

・毛ヅヤが悪くなる

・白内障(特に進行が早い)

特に「水をよく飲む」「尿の量が明らかに増えた」などの変化は、早期に気づくポイントになります。これらの症状に気づいた場合は、すぐに獣医師に相談することが重要です。


2. 糖尿病の原因

犬の糖尿病は、主にインスリンというホルモンの分泌量や作用が低下することで、血糖値が上がり続けてしまう病気です。インスリンは血糖値を下げる働きを持っています。

原因には以下のようなものがあります:

・遺伝的要因
 柴犬、ミニチュア・シュナウザー、トイ・プードルなどでやや発症が多いとされます。

・肥満
 肥満はインスリンの効きを悪くするため、糖尿病発症の大きなリスクになります。

・ホルモン異常(発情や副腎皮質機能亢進症など)

・慢性膵炎による膵臓のダメージ

・長期的な薬剤使用(ステロイドなど)

・高齢化(7歳以上の発症が多い)

中でも避妊手術をしていない雌犬の発情周期や、過剰な栄養摂取と運動不足による肥満は、重要なリスク因子です。


3. 診断の流れ

糖尿病の診断は、症状の確認と血液検査・尿検査が基本です。

① 問診・身体検査

・水の飲む量、食欲、体重の変化などについて詳しく伺います。

・脱水状態や体重減少、白内障の有無などを確認します。

② 血液検査

・高血糖(血糖値が200mg/dl以上)が持続しているかどうかを確認します。

・同時に、肝臓・腎臓機能や膵臓の状態も評価します。

③ 尿検査

・尿中の糖分(尿糖)を調べます。

・尿中ケトン体が出ている場合は「ケトアシドーシス」という緊急疾患の可能性もあります。

④ 必要に応じて追加検査

・甲状腺ホルモン・副腎皮質ホルモンの測定:他の内分泌疾患が隠れている可能性があります。

・画像検査(エコー・レントゲン):膵炎や腫瘍、膀胱炎などの合併症の確認。


4. 治療の流れ

糖尿病の治療はインスリン治療が基本です。犬の場合、経口薬では効果が乏しいため、注射による治療が必要です。

① インスリン治療

・毎日、決まった時間にインスリンを皮下注射します。

・初期はインスリンの種類と投与量を調整するために数回通院が必要です。

② 食事療法

・血糖コントロールに適した療法食を与えます。

・高繊維・低脂肪・低糖質で、食後の血糖上昇を抑える設計になっています。

・毎日の食事時間・量を一定に保つことが重要です。

③ 生活習慣の見直し

・適度な運動でインスリン感受性を高める

・肥満がある場合は減量が最優先

・おやつや間食は原則NG。特に甘いものや脂肪分の多いものは控えましょう。

④ 合併症の管理

・白内障:進行が早く、失明に至ることもあります。

・尿路感染症:糖尿病では尿に糖が出るため、細菌が繁殖しやすくなります。

・膵炎肝機能障害:定期的なモニタリングが必要です。

 


5. 当院での治療

診察時の主訴:

・最近水をたくさん飲むようになった

・食欲旺盛だが体重が減っている

・おしっこの量が異常に多い

診断結果:

・血糖値:312 mg/dl

・尿糖:強陽性、ケトン体陰性

・インスリン非依存型糖尿病と診断

治療内容:

・インスリン注射(1日2回)

・療法食(糖コントロール食)へ切り替え

・自宅での血糖曲線の記録とモニタリング

経過:

・2週間後、血糖値は安定

・水を飲む量・尿量も正常化

・現在も定期的な検診と体重管理を継続中

このように、早期の発見と飼い主様のご協力によって、良好なコントロールが可能になります。


6. まとめ

犬の糖尿病は、生活習慣や加齢、ホルモンバランスなどが関係する慢性疾患ですが、早期に発見し、インスリン治療と食事・生活の見直しを行うことで、長期的な健康維持が可能です。

最後に、以下のポイントをおさえておきましょう:

・「よく水を飲む」「尿が多い」「食欲あるのに痩せる」は要注意

・中高齢・未避妊の雌犬は特に注意

・インスリン注射と適切な食事で管理が可能

・定期的な血糖値・体重のチェックが大切

・治療は飼い主様との連携が何よりも重要

豊田市周辺で、糖尿病が疑われる症状があるワンちゃんがいらっしゃいましたら、森田動物病院までお気軽にご相談ください。
私たちが責任を持って、わんちゃんの健康をサポートいたします!

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