0565-71-1733
診療時間
9:00~12:00 / 17:00~20:00
休診日
木曜日・祝日 ※手術13:00~16:00

ブログ OTHER

カテゴリー:

その他

猫の尿路疾患の原因や症状、診断や治療法を獣医師が徹底解説!

豊田市近隣のみなさん、こんにちは! 豊田市の森田動物病院です。今回は猫の尿路疾患の原因や症状、一般的な診断や治療の流れなどについて獣医師が詳しく解説していきます。

1.原因

猫の尿路疾患は、尿道や膀胱に関連する様々な問題を含む総称です。以下のような原因が考えられます。

ストレス

猫は環境の変化に非常に敏感で、ストレスが尿路疾患を引き起こす大きな要因となります。新しいペットの導入や引っ越し、飼い主のライフスタイルの変化などが原因でストレスを感じることがあります。

食事

食事も尿路疾患の重要な要因です。特にマグネシウムやカルシウムの含有量が高い食事は尿石の形成を促す可能性があります。また、水分摂取量が少ない場合も尿が濃縮され、結石や結晶の形成リスクが高まります。

遺伝

一部の猫種には尿路疾患の遺伝的素因があることが知られています。特にペルシャ猫やシャム猫などの純血種はリスクが高いとされています。

その他の要因

肥満や運動不足、膀胱の感染症、ホルモンのバランスの乱れなども尿路疾患のリスクを高める要因となります。

2.症状

尿路疾患を患った猫には以下のような症状が見られます。

頻尿

猫が頻繁にトイレに行くものの、尿がほとんど出ない場合があります。これは尿路が部分的に詰まっている可能性があります。

血尿

尿に血が混じる場合、膀胱や尿道に炎症や損傷があることが考えられます。

排尿時の痛み

猫が排尿時に痛がる、鳴く、あるいは排尿を避ける場合があります。

尿の場所の異常

トイレ以外の場所で尿をする場合、尿路疾患の可能性があります。これは猫がトイレを痛みや不快感と関連付けているためです。

3.診断の流れ

尿路疾患の診断にはいくつかのステップがあります。

問診

飼い主から猫の症状や行動の変化について詳しく伺います。また、食事や生活環境についても確認します。

物理的検査

触診や視診を行い、膀胱や尿道の異常を確認します。特に膀胱の膨張や痛みがないかをチェックします。

尿検査

尿のサンプルを採取し、顕微鏡で結晶や細菌の有無を確認します。また、尿のpHや比重、血液の混入などもチェックします。

画像診断

レントゲンや超音波検査を行い、結石や腫瘍の有無を確認します。これにより、結石の位置や大きさを詳しく把握できます。

血液検査

腎機能の状態や全身の健康状態を確認するために、血液検査を行います。

4.治療の流れ

尿路疾患の治療は、原因や症状に応じて異なります。

食事療法

特定の食事療法を導入することで、尿のpHバランスを整え、結石の形成を防ぎます。市販の療法食や獣医師が推奨する特別な食事を提供します。

薬物療法

感染症が原因の場合、抗生物質を使用して細菌を除去します。また、炎症を抑えるための抗炎症薬や痛みを和らげる鎮痛薬も使用します。

水分摂取の増加

猫が十分な水を飲むようにするため、水の飲みやすい環境を整えることが重要です。ウェットフードの提供や複数の水飲み場の設置も効果的です。

外科的治療

結石が大きく、自然排出が難しい場合は外科的に除去することがあります。尿道が完全に詰まっている場合は、緊急手術が必要です。

行動療法

ストレスが原因の場合、環境の改善やストレスを軽減するための行動療法を取り入れます。新しい遊び道具や環境エンリッチメントが役立ちます。

5.当院での治療例

当院では、様々な尿路疾患の治療を行っております。例えば、先日来院された4歳のオス猫の例をご紹介します。

症例

この猫は頻尿と血尿の症状が見られ、触診により膀胱の痛みが確認されました。尿検査と画像診断の結果、膀胱に結石が見つかりました。

治療

まず、結石を溶解するための特別な療法食を導入し、水分摂取を増加させました。同時に、抗炎症薬と鎮痛薬を処方しました。

経過

1週間後の再診で、症状は改善し、結石も小さくなっていました。さらに2週間後には、尿検査の結果が正常に戻り、完全に回復しました。

まとめ

猫の尿路疾患は早期発見と適切な治療が重要です。症状を見逃さず、早めの対処が猫の健康を守る鍵となります。豊田市の森田動物病院では、経験豊富な獣医師が確かな診断技術と治療法でサポートいたします。猫の尿路疾患でお困りの際は、ぜひ当院にご相談ください。

ページトップへ